徒然なるままに 心に移りゆく いかがわしいことを 日々書き綴ります
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いつも心に雷獣を。
プロフィール

ぴの

Author:ぴの
現在は暁のヨナ、ハクヨナ中心。
歴史モノ、和服好き属性あり。
昔は幕末書いてた事もあり。
つーことで、銀魂も好き。
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「今日はなんの日かハク知ってる?」
大刀の手入れをしていたハクに向かって、唐突にそんな話を持ち出したのはジェハだった。
「あ? 知らねえよ。おまえの誕生日じゃねえことだけは知ってる」
「そりゃ、僕の誕生日はこの前過ぎたばっかりだから、記憶に新しいよねぇ…」
「ありゃ、相当ウザかったからな」
さもどうでも良さそうに、顔を上げることもなくハクが応じる。
「酷いね…でも、その節はお祝いありがとう」
「姫さんが祝うって言うから、仕方なく従ったまでだ。礼なら俺じゃなく姫さんに言え」
「ヨナちゃんにはお礼よりお返しがしたいもんだね」
「それはせんでいい」
不穏な空気を察知して、いっきにハクの目つきが鋭くなる。
「で、ハク、今日は『キスの日』なんだって」
「は? また下らねえことを」
「せっかくキスの日なんだから、可愛いヨナちゃんとキス、したいよねえ?」
返事の代わりに大刀の切っ先が勢いよく、ジェハの首筋に飛んで来た。
想定の範囲内とばかりに、それをヒラリと避けると、ジェハはこれまたいつものごとくニヤリと笑う。
「『僕が』じゃなくて『ハクが』だよ」
「てめーと一緒にすんな変態タレ目。『おまえが』だろ」
「僕がヨナちゃんとキスしていいなら、そういう事でも全然いいけど?」

ガスッ!!

今度こそドス黒い殺気の篭った拳を顔面に食らって、ジェハはまだニヤニヤと楽しそうだ。
「ヨナちゃんにする勇気が出ないなら、僕で練習しても一向に構わないよ」
「断固断わる。そしていっぺん死んでこい」
付き合ってられるか、と言い捨てると、ハクはスタスタ去っていった。
「あえてハクに塩を送るとは、僕も相当お人好しだな…」
流れ出る鼻血を手巾で拭いつつ、ジェハはひとり呟いた。


そして、30分後ーーーー。
「ねえハク。今日なんの日か知ってる?」
と、訊いてきたのはまさかのヨナ。
「あんたもその話かよ…」
「え?」
「いーえ何でも。何ですか? また変態タレ目に何か吹き込まれたんですか?」
「ハクならきっと、よく知ってるって言われたわ」
「あのクソ変態マジ殺す」
むしろさっき息の根を止めておくべきだった。
「そんなに怒るような事なの?」
「姫さん。いつも言ってますけど、あの変態が言うことは、真面目に聞かなくていいですよ」
「じゃあ物知りなユンなら知ってるかしら。キスってなんなのって」
「ぶほっ…」
ヨナの爆弾発言に、ハクは飲んでいたお茶を噴き出した。
「どうしたの?」
「いや、やっぱり一応最初から聞きますけど、一体なんの話ですか…?」
口元を拭きながらハクは努めて冷静を装おうとする。
「これよこれ」
ヨナがゴソゴソと何やら書かれた紙を懐から取り出す。
「高華国新報??」
「さっきそこの通りで配ってたのよ。こういうの瓦版って言うんですって?」
「瓦版ってのは最近の事件や世の中の動きを庶民向けに書いてある読み物ですが、なんでそれがそんな話に…」
「で、ここにね…」
と、見せられた高華国新報なる怪しげな瓦版の隅の方に『今日はなんの日?』という見出しが…。よく見ると、そこに『5月23日はキスの日です』などと書いてある…。
ハクはどうしたものかと頭を抱えた。誰だ、この姫にこんなモノを与えたのは。
「それ、知ってどーするんです?」
「だって『これであなたもあの子と仲良くなれる』って書いてあるから、そんな便利なものがあるならキスを覚えて、いろんな人と仲良くなりたいじゃない」
「その『仲良く』は、違う『仲良く』だ…」
「仲良くするのに種類があるの?」
「あんたは知らんでいい話です」
「何よそれ!」
軽くあしらわれた、と、ヨナは頬を膨らます。
「ジェハにこれを見せたら『ハクならきっとよく知ってるから実演してもらうといい』って言っていたわ」
「なるほどね…」
そういう事か…と合点がいった。
唐突にジェハがした話はケンカを売ってきたわけではなく、こっちが発端だったわけか…。
にわかに酷い頭痛がしてくる。
「ハクがやってくれないなら、ジェハに教えてもらうけど?」
「なんでそうなる…」
「ジェハがね『もしハクに断られたら、その時は僕が実演してあげるね』って言ってたの」
「あの変態、ふざけやがって…」
「そんなに怒るならもういいわよ。ジェハに聞くから」
「ちょっと待て」
踵を返そうとしたヨナの袖をハクが掴んだ。
「??」
キョトンとするヨナに向かって、ハクはガックリと肩を落とし盛大にため息をつく。
「わかりました。しょーがねえから、俺が教えましょう。その代わり…」
「その代わり?」
「先生が教えたら、姫さんもして下さいよ?」
「わかったわ。教えられた通りにすればいいのね?」
まるで剣の稽古と同じように、ヨナはどこまでも素直に教えを請うつもりのようだ。
「絶対だからな。後悔しても知りませんよ?」
「もう!勿体つけないで」
「はいはい。じゃあ、まずは目を閉じて」
「こう?」
本当に今から剣の構えでもするかのように、ヨナは肩幅に足を開いてエラく気合の入った立ち姿勢で、きゅっと目を閉じた。

今からしようという行為に対して、あまりに不釣り合いなその必死のヨナの姿こそが、ハクに必要以上の緊張をもたらさずに済んだのかもしれない。

面白い…。しかし可愛い…。

ハクに主であるヨナに触れる躊躇いがなかったわけではない。しかし今度ばかりは多少の逡巡よりも、この後ヨナがどんな反応をするか見てみたい好奇心の方が、僅かに勝った。
ハクは自分の胸ほどの身の丈しかないヨナを軽く引き寄せると、無防備に目を閉じるヨナの口唇に、触れる程度に口唇を落とした。

「!!!!」

予想外の感触にヨナは驚いてハクが身体を離す前に目を開けてしまう。
「これがキスです。異国の言葉ですがね」
「~~~っ!!」
ヨナは驚きのあまり目を白黒させて、口をパクパクさせている。
「さあ、先生は教えました。次は姫さんがする番ですよ?」
「う……わ、わかったわよ…」
それまで意識しなかったハクなのに、急に恥ずかしくなって胸が高鳴る。戦士さながらの凛々しい姿はまたたく間に影を潜めて、頬を赤らめるひとりの少女の姿がそこにあった。
「目、閉じて」
「はい」
おそるおそる何度か背伸びをしてみたが、ほぼ棒立ちのハクにヨナがくちづけるには、どう頑張っても背が届かない。
「ねえ…届かない…」
「ぷっ…」
「笑わないでよ…」
笑いを漏らしつつ、思わず目を開けてヨナの目線の高さに合わせて腰を落としてやると、予想以上のお互いの近さに焦り、動揺を隠すようにハクは再び目を閉じた。

まさかこんなことになるなんて…。
手が震える…ハクは平気なのかしら…。

しばらくすると、ハクはヨナに顔を両手で引き寄せられ、躊躇いがちに口唇に口唇が触れた。
触れる口唇の熱い感触に全身の血が逆流するような気がして、ハクはこのまま熱に飲まれたい欲を抑えつけるのに、いつも以上に苦労した。

ああ、もっと詳しく教えたいーーーー。

誤魔化すようにゴホンとわざとらしい咳払いをひとつ。
「はい、よくできました。仰せの通りに『仲良く』なれましたか?」
「なれ…たんじゃないの……馬鹿」
「これで意味がわかったなら、絶対に他のヤツにせがむんじゃありませんよ」
「するわけ、ないでしょ…っ!」

顔から火が出る思いでヨナは部屋から飛び出した。

くちづけくらい私だって知ってる。だけど、まさかそれを異国の言葉で『キス』って呼ぶとは知らなかった。
無知とはなんと恐ろしいものか…。
ああ、私ったらなんてことをハクやジェハに…。
しかし、なぜ二人とも異国の言葉を知っていたのか…。なぜ、自分相手に躊躇いもなくあんな事ができるのか…。
まだハクの口唇の感触が残っている気がして落ち着かない。
その夜、悶々とするヨナは一睡もできなかった。

翌日、ヨナが実演を求めてこなかった事でジェハは何かを察し、ハクに謝礼を求めて、あわや研いだばかりの大刀の錆にされかかったのはまた別のお話。



おしまい。


********************

pixivに投稿したものの再録です。
日付にこだわると来年の5/23まで出せないので、今回出させて頂きました(笑)
タイトルの元ネタは、今日はなんの日?フッフー♪ですw

この話、5/23出勤途中の電車の中でツイッター見てたらTLがこういう話になってたので、そこから急遽書き始めてその夜仕事終わりの電車の中で書き終えるというオール野外、スーパー羞恥プレイな企画モノssです(;´∀`)

私、コレ書いて、ハクヨナのA to ZのAに関してはコレで結構満足なんですが、コレじゃ全然足りませんか?(^_^;)

あら、やっぱり足りませんか…。
じゃあ、そんな人はまだ見ぬハクヨナ媚薬編でガッツリしてらっしゃるらしいので、それを待て…(ぉぅぃぇ)




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2015/06/30 23:44 ヨナss TB(0) CM(0)
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おしながき
◆こちらには暁のヨナの二次小説、主にハクヨナ、たまにそれ以外の何かを好き勝手に置いてます。
◆原作者様、出版元には一切関係ございません。
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